日程 | 2016/11/06(日) |
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会場 |
大阪大学 中之島センター 406講義室 大阪市北区中之島4-3-53 |
13:00~14:00 | 受付、開会 |
14:00~15:10 | 研究報告会(各20分) [発表1] タイトル:「グローバル人材」 発表者:中迫俊逸 プロフィール:中央大学商学部商業貿易学科及び中央大学大学院商学研究科教授、日本交渉学会 会長、全国ビジネス系大学教育会議理事、異文化コミュニケーション学会会計委員長 要旨:海外に自らの成長と活路を求める日系企業が増えている。それに対応するために、グロー バルに仕事ができる人材の重要性が日本では一層求められるようになっている。グローバルな社会では、有益な情報を発信し、積極的に意見を述べることが国際社会に貢献するための重要な鍵の一つになっている。そのためには、大切な要素としてコミュニケーション能力、異文化適応能力、問題分析能力、協調性と柔軟性、企画力、調整能力、交渉力そしてリスク管理能力等が求め られている。グローバルな社会で求められているこれらの能力に関して、この研究発表を通じて論じていきたいと考えている。 [発表2] タイトル:「ハーバード流交渉術・原則立脚型交渉の第八の要素としての『Single or Multiple』と、7つの要素との関わりについて」 発表者:東川達三 プロフィール:日本交渉学会理事、新樹グローバル・アイピー特許業務法人パートナー 要旨:第29回(2016年)日本交渉学会全国大会において、マルチプル・ネゴーシエーション理論 (MPN理論)がハーバード流交渉術の原則立脚型交渉第8の要素となる可能性について発表した。 その成果を踏まえて、今回の発表では第8の要素のキーワードとして『Single or Multiple』を提唱する。7つの要素との組み合わせの中でこの要素がどのように機能するのかを整理し、実際の交渉の場面での利用法についても具体的に説明を行う。そして、参加者各位のご意見を参考に実際の交渉の場面への活用の為の精度を高めたいと考えている。 [発表3] タイトル:「複数交渉(multiple)or 単発交渉(single)の判断類型に基づいた交渉戦略の提案」 発表者:山田浩忠 プロフィール:日本交渉学会員、株式会社ダイキン工業・知的財産部・弁理士 要旨:「マルチプル・ネゴーシエーション理論(以後、「MPN理論」)」を提唱した東川達三(2014) は、単発の交渉結果だけにとらわれず、繰り返し行う交渉によって獲得する資源(パイ)の総和 を重視することでビジネス上有意義な交渉戦略となり得るMPN理論を、原則立脚型交渉の発展型として位置づけている。 また、山田(2016)は、MPN理論が実践されるBtoBのビジネス分野において、「ビジネス関係を構築する初期段階、特に新規参入時の交渉スタイルは、発注側(ユーザ)の満足度を最大限とする結果となった。これは、ビジネス事案に対し相手側(顧客側)の要望を基本的に全て受け入れることを意図しており、交渉戦略としては譲歩を重視していることが分かる。」と述べている。 更に、交渉術でいわれる「返報性」という手段がある。これは、恩恵を受けた側は、これを相手に返さなくてはいけないという感じることで、いわいるギブアンドテイクのことである。「プロフェッショナル・ネゴシエータの頭の中:藤井一郎」 従って、交渉当事者のいずれかの一方が継続的な交渉を要望する場合は、最初の交渉時において、 交渉相手に対し、最大のベネフィットを与える交渉戦略が有効である。逆の見方をするなら、自身にとっては、ZOPAの最低ライン(最小のベネフィット)での合意形成を前提する交渉戦略といえる。 しかしながら、このように最初の交渉(最初の利益分配の機会)において、相手の利益を最大とする、つまり自身の利益を最小とする戦略は、リスクを伴う。リスクとは、結果的に最初の交渉が、単発の交渉となり、以降の交渉(最初の利益分配の機会)が実施されないことである。 そこで、必要となることは、交渉相手が、今後の複数回の交渉相手として資する相手なのかを見極めることである。 本論文では、交渉相手が、複数回(multiple)の交渉を行うに資する相手なのか、それとも単発 (single)の交渉とすべき相手なのかの検討を、交渉を始めるにあたっての必須的準備と設定し、 かつ以下の4つの類型化して各類型における交渉戦略を提案する。 <4つの類型> ①交渉開始前は単発の交渉とすべき相手とみなしていたが、交渉を進めるにあたって複数回の交渉を行うに資する相手と判断したケース ②交渉開始前は複数回の交渉を行うに資する相手とみなしていたが、交渉を進めるにあたって単発の交渉とすべき相手と判断したケース ③交渉開始前及び交渉を進めるにあたっても複数回の交渉を行うに資する相手と判断したケース ④交渉開始前及び交渉を進めるにあたっても単発の交渉とすべき相手と判断したケース |
15:15~16:20 | 交渉学実践ワークショップ:「交渉の準備のためのケースワーク」 進行役:東川達三 (ご案内)実際の交渉においては、その準備の充実度によって結果が決まると言っても過言ではないほど「準備」は重要です。本ワークショップでは、予め用意した交渉ケースを使って与えられた交渉条件の制約の中で、参加者本人が交渉に臨むための準備資料を作成し、そして発表していただきます。そして、参加者間で検討し、最良の準備とはどのように作られてゆくのかを体験するワークショップを想定しています。 [第一部] 1980年代にハーバード大学の授業で実際に原則立脚型交渉を学ばれた麻殖生健治先生から原則立脚型交渉が構想された初期の4要素について講義をしていただきます。そして、その4要素駆使した交渉準備のケースワークを行います。 [第二部]基本の7要素と進行役の東川が本日発表した第8の要素も加え、これら全てを使った交渉準備のケースワークを行います。 |
16:30~16:55 | 支部会 ①2016年活動報告 ②2017年活動計画 ③関西支部発の研究テーマについて意見交換 ④その他 |
17:00 | 閉会 |
17:30~ | 懇親会 |